【ゴジラVSスペースゴジラ】MOGERAの実力について【SF考察】

 

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MOGERAの実力について

いやはや、よもやよもやである。

前編平成メカゴジラについて、メカゴジラについて調査するうちに書きたい事がどんどん募ってきて、つい…

しかしまさかブラックホール第三惑星の重力にひかれて実質8話分書くことになろうとは思いもしなかった。


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いかんいかん、こんな事では。今回の「ゴジラVSスペースゴジラ」でも、話が脇道に逸れてしまうにしてもせめて8割程度は(平成ゴジラシリーズ第五作目の作品にして筆者がゴジラにはまる大きなきっかけとなる)本作の内容にある程度かろうじてかすりはする内容について扱って行きたい(前フリ)

主な内容は前作から続投のGフォースやベビーゴジラが成長したリトルゴジラの登場、『ゴジラvsモスラ』(1992年)に登場したモスラとコスモスの再登場、『ゴジラvsビオランテ』(1989年)で戦死した権藤吾郎の親友と妹の登場など、過去の平成VSシリーズ作品とのつながりも見どころである。この作品では平成ゴジラシリーズの中でほぼ唯一ゴジラが人類側に立っていると思しき作品でもあり、また登場する怪獣数も5体と過去最多である。ちびっ子達に受け入れられやすい仕様となっていると言えよう。一方敵役となるスペースゴジラゴジラを明らかに越える圧倒的な戦闘能力であり凶悪な外見を持ちつつちゃんと設定通りゴジラ種族と分かる、敵ゴジラという立ち位置においてかつてのメカゴジラなどにも匹敵する存在になったのではないか。ビオランテ戦より対ゴジラ作戦に加わった超能力者の三枝未希がはじめてメインヒロインを張る作品でもある。

ここまでメカゴジラ戦を多様な角度から扱ってきた経緯から(多様すぎた気もするが)まずは対G兵器メカゴジラの後継機であるMOGERAについて話を進めていこう。コイツを解析していく仮定でスペースゴジラについても自ずと分かってくるものがあるはずだ。

まずは攻撃能力についてである。前回のメカゴジラについては主武装の「メガ・バスター」は仮想敵であるゴジラ熱線に匹敵との分かりやすい基準があったが今回はない。設定上、プラズマレーザーキャノンはメカゴジラのレーザーキャノンの3倍の威力、腹部から発射するプラズマメーサーキャノンは以前紹介した92式メーサータンクの5倍の威力なのだという。

まずもってメカゴジラの装備や92式メーサータンクについて定量的な観測が出来ていないので、劇中の描写からこんなもんだろうという推測しか出来ない(しかも出力ではなく威力との事で、数字には出しにくい)特にこのMOGERAは対ゴジラ兵器として開発されたにも関わらず劇中ではほとんど交戦出来ていないため火力などある程度の実力を類推できる平成ゴジラの反応から攻撃力を判断するという目分量での予測も困難なのだ。

というわけで、平成メカゴジラについて当初試みたようにMOGERAの出力を判断してそこから各種装備の火力上限を探っていきたい。

と言ってもMOGERAのエネルギーについて明らかになっているのは(レーザー核融合炉2基搭載)という事のみで、具体的な出力は他のすべての装備がそうであるようにまったく霧の中だ。

推力から見るMOGERAの出力

判断材料となるのはMOGERAは大気圏内を熱核ジェットでマッハ1、大気圏外を熱核ロケットでマッハ44出るというものだ。大気圏内のスピードに関してはガルーダと合体する前のメカゴジラと同クラスである。

質量16万トンのMOGERAが核融合燃料で音速飛行をする場合、最低限必要な出力は約6.3TWと考えられるという(ここでは熱核ジェットに必要な排気速度を毎秒8000mと判断)レーザー核融合の効率は40%程度と考えられるため核融合炉の出力はこれより高い必要がある。そこから考えれば毎時168Kgの燃料が必要との事だ。

そして、MOGERAの真価(と疑問点)はここからだ。まず、宇宙空間でマッハ44出る…というところだが、マッハとは音速であり音が伝わらない宇宙では使うことはない。概ね大気圏内換算でマッハ44出せる加速度で推進し続けられる…という事をいいたいのだろうか。

パイロットへの負担が少なく、一方で地球重力からの脱出に問題のない10分程度でマッハ44に到達すると仮定すれば推力重量比2.55程度と考えられる。この場合30TW程度の出力が必要であり10分間でレーザー核融合炉の効率も考え133 kgの核融合燃料が必要となる。

そして、忘れてはならないが、MOGERAは実際に劇中で宇宙航行能力を活用してアステロイドベルト(地球から最寄りで3億3000万km)に飛び、そこでスペースゴジラと交戦を行なったのだ。搭載可能な推進剤が1万トン程度であるとして、目的地到着までにかなり高い排気速度を実現する必要がある。推進剤を節約するために熱核ロケットの出力(つまりレーザー核融合炉の出力)を上げざるを得ないという事だ。結果1000TW(現在の地球の発電量の300倍)また、核融合燃料の消費量は5340トンにもなる。

ここまで苦労してもアステロイドベルトまで84日かかる上に、片道分の計算でしかない。推進剤はもうないため宇宙にプカプカ浮かぶ他ない。

 

メカゴジラVS MOGERA」

 

平成メカゴジラの最高クラス出力の6PW(6000TW)には及んでいないものの、あれは瞬間的な兵器使用のための出力であり定格出力として長時間発揮し続けなければならないMOGERAとは比較にならない。そもそもMOGERAは対G兵器であるためなぜ宇宙航行能力を確保していたのか謎ではあるが(宇宙に上がる事自体は宇宙空間からゴジラをアウトレンジ攻撃するという発想はあるかもしれないが)恐らく強力な兵器を搭載する予定で余剰があり小改造で強力な熱核ロケットを発揮できた、と…。

しかし相手はあのスペースゴジラである。スペースゴジラの能力については個別に扱うが、とりあえず設定には光速と記載してある。スペースゴジラが光速であるからと言ってMOGERAが必ずしも光速で並ぶ必要はないのだが(どの道勝てないわけだし)一方で余りにも遅すぎても物語に支障を来たしてしまう。

狭いコクピットパイロット達が耐えられる日程に調整すると(発射→減速→アステロイドベルト到達し交戦→退避→減速→帰還…この間12時間)うーむ…機体の最高速度は光速の6.2%、核融合燃料は300万トンを大幅に超過する量が必要、必要出力は27.6EW(エクサワット)パイロットにかかるGは1180Gだ…まず核融合燃料がMOGERA質量の16万トンを大幅に上回る。またパイロットに1180Gがかかれば即死する他ない。パイロットがいなくとも構造的に耐えられるのかは不明だが…。

 

「恐るべき MOGERAのエネルギー」

※要塞ソロモンとは宇宙世紀ガンダムに登場する天体を改造した要塞

 

上記について、パイロットは未来技術の重力制御や慣性制御でGのストレスを無効化した事にすれば良いかもしれない。そういう設定にないご都合が嫌なら、例えばパイロット達は遠隔操縦で地球からMOGERAを動かしている設定にすれば良い。スペースゴジラと交戦して攻撃を受けるごとにワヒャーとかアヘェーなど賑やかにしていればいいのだ。アステロイドベルトでの戦闘はタイムラグがあるため超能力者の未希パイセンに思念波や脳量子波など情報を超光速で伝達してもらえば良い…

そんなことが出来るかどうかはともかく、宇宙での危険な作業(光速で移動できぶちかましが出来るスペースゴジラを戦いの相手にするという、これ以上危険な仕事もないであろうが)は極力無人化するに限るのだ。

エネルギーはどうするのか?という疑問がある。動力炉はレーザー核融合という縛りは確かにある。が、それとは別に(核融合炉による推進とは別に化学ロケットを運用していたとかいう宇宙世紀ザクのまことしやかな噂を確認するまでもなく)反物質ロケットを採用してはならないという法はどこにもない(うーん…)そもそも地上で管制するだけならゆっくり目的地まで向かえばいいのでは…

とも思ったがスペゴジ側は光速で迫っているのだ。スパコンが弾き出した結論がアステロイドベルトで速やかに決戦を申し込む事だったのでしょうな…次回以降に詳しく述べようと思うがスペゴジの光速ぶちかましは地球にとって危険すぎ、可能な限り遠方で対処しようと考えるのが人情なのだ。ちなみに反物質ロケットの場合でも反物質燃料の規模は1万3300トン必要である(反応させる通常物質も同量必要だが、それはまぁ星間物質とか現地調達でもいいのかもしれない)

とりあえず現時点でMOGERAは反物質の後押しを受け、27.6EWを確保するに至った‼︎(ヲイ)